目標がなくても人生は開ける。でも今を精一杯生きないで人生が開けることはない

今日只今

境野勝悟 作家・東洋思想家

実は、私は人生の目標って立てたことがないんです。ただ「縁」だけは大事にして、いつもそれに精いっぱい報いてまいりました。

そうしたら、思いがけず素晴らしい出会いに恵まれ、東洋思想の本を30冊ほど書かせていただくことができた。ただひたすらご縁に従ってやっているうちに、こういう自分になったんです。

いまの若い人の中にも、目標が立たないと言って悩んでいる人が多いんですね。そういう青年たちには、俺も目標を持たなかったよ。だけど人の縁を大事にして、「今日只今」を一所懸命やってれば人生は開けていくんだよと申し上げるんです。

月刊誌『致知』2014年8月号より

境野勝悟さんは若い頃から錚々たる名僧の謦咳(けいがい)に接してこられた方です。そのことだけを傍から見れば「なんて運のいい人だ」とも思えるほど。

しかしよく考えれば、素晴らしい人を紹介してもらえたり、諸先輩方からよく面倒を見てもらえたりするのは、それ相応の自分があってこそのもの。「運がいい」だけじゃない何かが、氏にはあったはずです。

そしてそのことを氏自らの口で語ってくれたのが、上の言葉です。易しく訳せば「『いま、ここ』を一所懸命やっていれば人生は開ける」と言ったらいいでしょうか。
近年ビジネスマンの間で人気の「キャリアなんちゃら」みたいな、プランを立てて、プラン通りに生きるような考え方とは、まるっきり真逆の考え方です。

もちろん目標は、無いよりはあった方がいいものでしょう。でも多くの人は実際のところ、確固たる目標なんてなかなか見い出せないものです。それが現実です。それなのにその現実を無視して世間では「目標を持て」「キャリアプランを立てろ」というのが絶対的な正解かのように叫ばれています。そしてその結果、自分の納得のいく目標が見い出せない多くの人はそのまま惰性で人生を過ごし、キャリアプランを立てた人の多くは、プランが先にありきであるために、打算と下心で生き、心からの満足なんか得られようがないことは明白な日常を生きていたりします。

何よりも一番大切にしなければならないのは「いま、ここ」。人生の先ばかりを見て、気にかけてばかりいて、今日という日を精一杯生きる・楽しむことを忘れている様はまるで、「誰かと一緒にいる時でもいつもスマホばかり見ている人」かのようです。そんなでは自分も、そして人生の時間を共有している周りの人も、誰もハッピーにならないのではないでしょうか。

 

フォロー/Feed

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。