超一流として人に募られるには強烈なビジョンが必要

一流の人物の条件

渡部昇一 上智大学名誉教授

一流の人物の条件としてまず挙げられるのは、一つの目標達成のための強烈なビジョンを持っていること、そして、そのためには一命をなげうってもかまわないと考えていることだ。このいい例を、私たちは明治維新に多く見ることができる。

西郷は、これは誰でも知っているように維新の英傑の一人だ。と言うよりも、文字どおり明治維新の最高功労者だ。鳥羽伏見の戦いから江戸城の無血開城は周知の事実だが、新政府になってからの西郷内閣(俗称)は、明治政府の最重要課題だった廃藩置県を実現したり、徴兵制を導入したりと、まさしく驚天動地の成功を収めた。

西郷がいなければ、かくもスムーズに討幕など成功しなかっただろうし、新しい日本も生まれなかったと言っても過言ではない。大名をなくして県制を敷くなど、鎌倉幕府以来の武家制度を崩壊させることだから、ある意味では本当に大革命だった。明治4年からの西郷参議の下ではこの他にも数多くの改革が行われている。封建的身分差別の撤廃や、地租改正による近代的土地制度の導入、司法省を設置しての法治主義の確立、また、学制を公布して教育の普及にも努めているのだ。

このような大事業を、一身を顧みず断固とした態度でやりぬいた。だから、ここまでの西郷は、誰が見ても、一流中の一流、超一流の上にもう一つ超をつけてもかまわないくらいの人物だったと思う。

ところが、この人は明治6年の政変で下野して鹿児島に帰ってからは、普通の一流人物になってしまったのではないかと思う。それは、明治6年以後の日本の行き方について、西郷にはこれといったビジョンがなかったようだからである。

著書『自分の品格』より

ビジョンがなければ、先に進んでいく推進力はどうしてもビジョンのある人には敵いません。ビジョンがなければダメだという話ではありませんが、やはり「超一流の人物」ということで歴史を紐解けば、または周りからそういった評価を得ることになる人物には、強烈なビジョンがあったようです。

つまり、一個人の人生としての成功のためにはどうという話ではなく、リーダーとして人に募られたり、カリスマ性を発揮するためには、強烈なビジョンが必要だということが言えるのではないでしょうか。

 

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