これぞ人育ての醍醐味 はなまる学習会代表 高濱正伸さんのインタビュー記事抜粋

小学生時代に一番大事なのは

月刊誌『致知』2014年8月号に掲載されていた「はなまる学習会」の代表 高濱正伸さんのインタビュー記事がおもしろかったのでご紹介。

はなまる学習会は「生きる力をはぐくむ」その教育法がいま全国から注目されていて、4歳から15歳の生徒たちを対象にした学習塾を埼玉や東京を中心に展開されています。設立から今年で21年が経ち、生徒数は約17,000名、教室はどこも人気でキャンセル待ちも出ているほどとのこと。

そんな、独自の教育法で人気を博している学習塾の代表 高濱さんのインタビュー記事の中から、特に興味深く読んだ部分を抜粋して紹介します。

−−−−野外活動での手応えはいかがですか。

高濱 みんなものすごく成長しますよ。事例は山ほどあるんですが、例えばサマースクールに毎年出てくる男の子がいました。図鑑が大好きな彼は真面目でいい子なんですが、優しすぎて友達ができない。つまりオスの世界では生き残れないタイプでした。

これは彼が6年生の時のことです。満天の星の下で子供たちを集めて、あれがデネブ、こっちがアルタイルと教えていると、ある子が「先生、こっちの星は何?」と聞いてきました。すると名称が出てこない僕を尻目にその彼が、「あれはアルクトゥルスです、先生」とさらりと言うわけですよ。そうしたら周りの子供たちから「おおー」って歓声が上がった。

小学生時代に一番大事なのは、この「おおー」なんですよ。そして心の底からの賞賛を浴びているこの瞬間を、先生はしっかりとつかまえないといけないんです。

−−−−そこが勝負だと。

高濱 そう。この瞬間をのがしてはいけない。ここで一言だけでいいから言わなきゃいけないんです。まさに一刹那正念場(※この号のテーマ)ですよ。

「先生が知らない星の名前を A君が言ってくれました。みんな拍手〜」といった程度で構わないので、とにかく彼の素晴らしさを言語化してあげるだけでいい。そうするとみんなの彼を見る目がガラリと変わるんですよ。

翌日になると、彼は「博士、博士」って呼ばれていました(笑)。女の子からも「あの人だよ」とか言われるようになる。そうしたら人間がバーンって変わってしまう。

サマースクールから戻ると、彼は問題集を買い込んで勝手に勉強を始めました。そして自ら志願して中学受験に挑戦して、中堅の中学に合格するんですよ。

ところが彼の場合、自分に火がついていて入学後も勉強を続けるからグングン伸びて、友達は大勢できたし、一流大学に受かっちゃったんです。

−−−−大変身を遂げたわけですね。

高濱 心の底から自信を持つ体験をさせてあげることがいかに大切かということです。ただしこうした体験をさせてあげるのは簡単なことではないので、先生はその瞬間を逃さないことです。運動神経みたいにポーンとやらなきゃいけない。これは褒める時だけじゃなくて叱る時も基本は同じ。

ですから先生に求められるのは、頭のよし悪しよりも、ここだという瞬間を感じる力ですね。

月刊誌『致知』2014年8月号より

語弊があるかもしれませんが、これぞまさに「人育ての醍醐味」といった感じを受けました。

勉強のできない子も、勉強の方法論が分からなくて勉強ができないんじゃなく、勉強をやる気がしないから勉強ができない、ということがほとんどだと思います。本人のやる気に火がついてさえしまえば、誰だって自然と効率のよい勉強法を独自に編み出すし、集中力も記憶力も何もかも自然と高いパフォーマンスを維持できるようになってくるものだと思います。

大人である私たちは、自分自身の心の火をどうやって燃えた状態に保つか。効率化や理論やライフハックに偏らず、自分のやる気の管理もしっかり行っていきたいものです。

高濱正伸

 

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