資本主義と規制|「自由」ではなく、政府主導の規制・開発が経済発展の基礎になっている

資本主義

資本主義の発展は自由な経済活動に支えられているものだというイメージがあるかと思います。

ところが実際のところをよく観察してみると、資本主義的な「自由」は、社会主義的な「大きな政府による統制」により成り立っていることがわかります。

その辺のことについて、「普遍文法」を提唱し言語学に革命をもたらしたノーム・チョムスキー氏が語っているわかりやすい話がありましたので、紹介します。

吉成真由美 インタビュー『知の逆転』から紹介

大概のものは、もとは政府主導で生み出されたもの

  • 資本主義とか社会主義という言葉を使う際には気をつける必要があります。(中略)人々が使うほとんど全てのものはどこから来たのかというと、実は経済の公共部門から出てきたもの、つまりもともと税金によって、政府のプロジェクトとして開発されたものなのです。

たとえばアメリカでは、人々はコンピュータを使い、インターネットに接続し、飛行機に乗り、薬を飲んでいます。ところがそれらは全てが政府から研究資金の供与を受けた団体や機関が研究・開発してきたもの。つまり政府のプロジェクトとして開発されたものなわけです。

有名大学の研究室には政府から多額の研究資金が何十年にも渡って供与され続けていて、実際それによって約50年前にコンピュータが開発されました。また、おそらく近年のアメリカ最大の民間輸出品目は民間航空機ですが、それだってもともとは爆撃機。政府主導で開発した爆撃機に改良を加えたものでしかないわけです。

市場原理だけで動いているものは破綻が避けられない

  • 唯一市場原理だけで動いているのが、金融部門です。だから何度も破綻する。

市場原理だけで動いているものは破綻が避けられないそうです。そしてその破綻から救済するのは国際通貨基金(IMF)のような、実質的にはアメリカ財務省の出先機関のような存在。

これのどこが資本主義だと言えるのか、という感じです。上手くいっている間は儲けさせ、失敗したら税金で助ける。しかも同じようなことが何度もくり返し起こっています。

保護して育てることが必要

  • アメリカが19世紀に発展を遂げたのは、より優れた英国製品の流入を制御すべく、世界一高い保護関税をかけていたからです。日本も同じで、先進国はみなこのようにして発展しました。

19世紀のアメリカにとって最大の経済活動は鉄道開発で、それは民間ビジネスの能力を超えていたので、軍隊が肩代わりし、軍隊のエンジニアが鉄道を敷設したのだそうです。

また世界を刮目させたアメリカの大量生産システムも、一般的にはフォードなどの民間企業から生まれたシステムのように思われていますが、実際には政府の防衛部門によって開発されたものなのだとか。

まとめ

資本主義というのは、市場原理に完全に任せていては破綻が避けられない。なぜなら、市場原理だけで動いているものは破綻が避けられないから……。

何かといえばすぐに規制をかけるような「平等」ばかりを目指した社会主義的な政府も嫌ですが、かといって自由に市場原理に任せていてはやはり破綻が避けられない、「神の見えざる手」に完全に任せてしまえばその先には破綻が待っているようです。

この話にはまるで子育ての難しさに共通するようなものを感じました。ガチガチに躾けても、それじゃ自分では何も生産できない魅力のない人間が育ってしまうし、かといって完全に自由奔放に好き勝手やらせていてもいいというわけではないし。

どちらか一方に極端に傾くのではなく、やはり適切な規制・躾が必要なのかなと。そんなことを考えさせられました。


以上です、
ではまた

 

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