原油価格の推移とサウジアラビアの狙い 「シェール企業をぶっ潰せ!」

原油価格の推移とサウジアラビアの狙い

原油価格がものすごい勢いで下がり続けていますね。
取引市場のチャートを拝借するとこんな↓感じです。

原油価格の推移
参考 WTI原油先物価格チャート|Chart park

現在1バレル55ドル。半年間でほぼ半値です。
2008年のリーマン・ショック時の暴落ぶりに比べたらまだマシではありますが、それでもこれといった危機があるわけでもないのにこれだけ下がっているんだから、逆にインパクトがあります。

なぜ原油価格は暴落しているのか?

石油価格を決めるのはサウジアラビア

原油価格の実質的な価格決定権はサウジアラビアにあるといっても言い過ぎではありません。というのも、サウジアラビアには世界の石油確認埋蔵量の4分の1が眠っており、しかもその採掘コストも安いため、余剰生産力が大きいからです。

参考 裏切りの同盟 ~アメリカとサウジアラビアの危険な友好関係

世界の余剰生産力の半分はサウジアラビアが握っていると言われており、となるとその余剰生産力でもって世界に流通させる石油量を調整すれば、つられて価格も調整されるという仕組みです。

今の状況は、通常だと減産する局面

今は原油価格が暴落してしまっているので、通常だとサウジアラビアは減産の方針を打ち出し、価格をある程度の水準で保とうとするものです。私たち石油輸入国にとってはウザい話ではありますが、まあそういうものです。

ところが今回、サウジアラビアは「減産はしない」と明言しています。
参考 CNN.co.jp : 原油「決して減産せず」 サウジ石油相が断言

このことに世界中が「どういう意図があるんだ?」と疑心暗鬼になっているのが現状です。いろんな説があります。主なものでは

  • シェール企業潰し(産油国の策略)
  • ロシア叩き(サウジとアメリカ、又はサウジ単独の策略)
  • イスラム国潰し(同上)

などといったことがささやかれています。
当のサウジアラビアは何ら意図はないような旨の発言をしていますが。

シェール企業潰しが真の狙いという線が濃厚

独立総合研究所の青山繁晴さんの話によると、どうもサウジの狙いはシェール企業潰しにあるというのが真実のようです。
参考 ザ・ボイス そこまで言うか!|12/11配信分

シェールガス/オイルなどの石油の代替燃料となる資源の開発にサウジは危機感を覚えているようで、
『アメリカよ、俺たちの市場を荒らすんじゃねえ!』
というのが本音のようです。

そして
『ついでに、ごちゃごちゃうるさいロシアも叩いてやれ』
というぐらいの感じで考えているようです。

決してロシア叩きがメインではないし、アメリカと手を組んで打ち出している方針というわけでもなさそうです。

シェール企業に対する兵糧攻め

石油の生産に比べてシェールオイルの生産はコストがかかるそうで、アメリカのDOE(エネルギー省)の人間の話では「1バレル65ドル以下ぐらいになったら、アメリカのシェールオイルの会社は全滅だ」ということのようです。
参考 ザ・ボイス そこまで言うか!|12/11配信分

したがって在来型の原油があまりに安くなると、アメリカではそういう大きな事業も民間がやっているので、民間だから儲けが出なくなればみんな生産を辞めるしかなくなるようです。だからそれを狙ってサウジは、我慢比べのチキンレースを展開しているとのこと。

サウジの狙いは成功するのか?かなり疑問が残る

とはいってもシェール企業は、一旦生産を止めたところで、また原油価格が高まってきたら生産を再開すればいいだけの話。

原油と違ってシェールオイルは「生産の停止・再開」にかかるコストはものすごく低いという話もどこかで聞きました。となれば一度はサウジの思惑どおりにシェール企業が生産停止をしても、またいずれは生産再開する時が必ず訪れるでしょう。

サウジをはじめとすると石油に依存しきっている産油国たちは、いよいよ石油依存のその体質を改めなければならない時代に入ってきているのかもしれませんね。


以上です、
ではまた。

 

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