草食化の原因? 日本の野菜は今、遺伝子異常のタネで作られている −− F1種・雄性不稔

草食化の原因?日本の野菜は今、男性機能のない遺伝子異常のタネで作られている

月刊誌『致知』2014年7月号より。
野口 勲さん(野口種苗研究所代表)と安倍 昭恵さん(安部総理の奥さん)の「タネ」に関する対談記事が興味深かったので、要約してご紹介。

海外から仕入れたタネで行われている日本の農業

今の日本の農業は、そのほとんどが海外から仕入れたタネで賄われているとのこと。そのタネは「F1種」という交配種で、異なる二系統のタネを人工的に掛け合わせてつくられた雑種の一代目のタネだそうです。

なぜわざわざ海外から仕入れてまでそういうタネを使うのか。それは、雑種の一代目のタネというのはその両親の対立遺伝子の優性(顕性)形質だけが表れるため、見た目が均一に揃い、しかも生育が早く、収量が増大する、などといった利点があるからだそうです。

しかしそれらの利点は一代目のタネにしか表れないので、農家は毎年、種苗会社から海外採種のF1種を大量に購入しているとのこと。それは日本全体で年間何千トンという規模にのぼるそうです。

男性機能がない遺伝子を受け継いだタネ「F1種」

F1種が日本で採種されるようになったのは大正時代からですが、その後東京オリンピック以降に急激に広まったとのこと。農家は、昔は自家採種できたので自分たちでタネを採っていたけれども、いまはそういう経験をしてきた世代がいなくなり、タネ採りなどしたことのない世代ばかりになってしまっているそうです。そのため、いま日本で売られている野菜はみな、海外のF1種でつくられたものばかりとのこと。

そしてこのF1種のタネには一つ、大きな懸念事項があります。それは、F1種の主流となっているタネは『雄性不稔(ゆうせいふねん)』という、おしべのない野菜から採れたタネであるという点。昔はタネを掛け合わせるにしても、人の手でおしべを取って、そこに別の花粉をもってきて掛け合わせていたようなのですが、それが今は、元からおしべのない、雄性不稔の野菜を母親として使うのが雑種づくりの世界標準になっているそうです。

手間や効率のことを考えるとその方が楽なのは分かりますが、しかし雄性不稔とは結局、男性機能(花粉)がないという、要はある種の遺伝子異常から生まれた突然変異の植物です。なので、F1種のタネというのはつまり男性機能のない遺伝子を受け継いだ野菜のタネだということになります。

『男性機能がない野菜』と聞けば、近年よく耳にする「草食系男子」というキーワードも、このことと無関係だとは思えなくなってきます。ある種の遺伝子異常を持った野菜ばかり食べていて、それが私たちの体に何ら影響を与えることはないだなんて、そう考える方がどこか不自然です。穀物類などと比べたら野菜の摂取量はそもそもかなり少ないので、すぐにどうというものではないとは思いますが、それでも生まれてから死ぬまでずっと食べ続けていれば、多少なりとも影響があっても不思議ではありません。

野口氏によれば、そうした F1種の影響を考えさせられる異変が、米国のミツバチの世界にあると言います。というのは、米国で花粉交配に使われるミツバチが、20年に1回忽然と姿を消すという、はっきりとした原因の分かっていない現象が起きているのだそうです。

女王バチは2年生きて次の女王バチを産むので、つまり20年だと10世代。10世代かけて雄性不稔のミツが女王バチに取り込まれ続け、10世代目の女王バチの産む雄バチが、無精子症になっているのではないか?雄バチに生殖能力がなければその巣には未来がないため、それで働きバチたちは巣を見捨てていなくなってしまうのではないか?と野口氏は推察しているそうです。

これはあくまで野口氏の考える仮説であり、まだ誰も科学的な検証を行ってはいないそうなのですが、でも、この仮説が正しいかどうかに関係なく、いずれにせよ、ある種の遺伝子異常による突然変異でできた植物の遺伝子を受け継ぐ野菜ばかり食べていて、それで私たちの体に何も影響がないとは到底思えません。なぜなら私たちは食べたものを単なるエネルギー源として使っているのではなく、自分の細胞として取り入れている(動的平衡)のですから。もしかしたら人間も、米国のミツバチのように何代かかけて影響が蓄積されていき、いずれ大きな異変がどこかで出てくるのかもわかりません。

「隣家の F1種は食べられてない」−−野生の動物は何か違いを感じているのかも?

F1種には、先に触れたように、見た目が均一に揃うだとか生育が早いだとかといったメリットがあります。そのため今では F1種ばかりになってしまい、タネ採りを知らない農家が多いそうです。しかも大きな農家(プロ)は、規格が揃わないと出荷できないため、固定種(自然なタネ)での農業をやりたがらない。

結果、固定種を採種している農家はほとんどいなくなり、今ではタネ販売店を営む野口氏に「固定種を取り扱いたい」と声をかけてきてくれる販売力のある人がいても、肝心のタネが足りないという状況なのだそうです。

採種の手間がかかる分、固定種は高いのでは?と素人考えでは思ってしまいますが、実際はその逆なのだそうです。F1種のタネはその会社しか作れないため、自分たちで好きな値段をつけているとのこと。そのため固定種の方が F1種のタネに比べ何分の一かの値段なのだそうです。

しかも固定種のタネでつくられた作物は、人間には分からなくても、野生の動物たちには何か違いが分かるようで、固定種のタネを使用している方からは「ニンジンが野ねずみにかじられて困る」「トウモロコシが猿に食べられてしまう」「でも隣の家の F1種のスイートコーンは一口かじって吐き出してあった」などという声があるそうです。

遺伝子操作の怖さ−−「自殺する遺伝子」

野口氏の話では、現在封印されている特許で『ターミネーター・テクノロジー』という技術があるそうです。これは遺伝子操作によってタネの次世代以降の発芽を抑える技術だそうで、「自殺する遺伝子」とも呼ばれているそうです。

どういう遺伝子かというと、その遺伝子の組み込まれた作物の花粉と交配させた植物は、タネをつけ、芽を出そうとした瞬間、自ら毒素を出して死んでしまう、という仕掛けが施されている遺伝子だそうです。なぜそんなものが開発されたのかというと、それは農家が自分でタネを採種することができないようにすることで、農家に毎年タネを買わせ、販売会社が儲けようという目論見で開発されたもののようです。

ただこれは、その一社による世界の農業支配につながるということで止められたそうです。なのですが、数年前、イギリスの農林省とドイツの製薬会社が一緒になって、密かに同じような実験をしていたことも明らかになったそうで、この「自殺する遺伝子」と同じような結果を起こす別の特許を現在では何社かが持っているそうです。

遺伝子操作の怖さ−−“予想外”の可能性

米国の食品安全局は、遺伝子組み換えをしたトウモロコシの安全性を「決められた手順で3ヶ月間マウスに食べさせ、それで異常がなければ安全」という基準で認めていたそうです。

しかしその後、フランスのカール大学の博士が、遺伝子組み換えしたトウモロコシをマウスに3ヶ月以上食べさせる実験を行ったところ、なんと4ヶ月目からガンが発生。さらに2年経ったら、そのマウスは全身がガンだらけになるという実験結果を得たとのこと。そしてその実験結果が発表されたことにより、EU では遺伝子組み換えは一切お断りということになったそうです。

そのことを受けて野口氏が懸念するのは、行き場を失った遺伝子組み換えの作物たちが、TPP によって日本に入ってくる可能性があるということ。米国の圧力や、またプロの農家は効率よく儲かる F1種や遺伝子組み換えのタネを使いたがるといったことから、日本に入ってくる可能性もあるのだそうです。

この記事を読むまで F1種というものを知らなかったのですが、「雄性不稔」というキーワード、とても気になりました。

農業で飯を食っている人たちに対して「固定種を使え」と言うのは現状かなり無理があるので、せめて家庭菜園レベルでは、積極的に固定種のタネを使用していきたいものです。そしていずれは、いまスーパーに並んでいるキレイ過ぎる野菜たちを見て誰もが「形が整い過ぎてて逆に気持ち悪い」と思えるような自然な感覚を取り戻せていけたら……いいのですが。

こういった知識が広く国民の知るところとなれることを願って、記事にしてみました。では。

 

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