大ヒット企画の仕掛け方 「みんな知ってる」をつくるところから始める

仕掛け人たちの企画術

企画を仕掛けて、それを成功させるには、どうしたらいいか。
小さな商店や工務店が企画するイベント事であれ、大きな企業が企画する一大キャンペーンであれ、その企画の成功のための本質的な部分は共通しているはずです。

ということで、企画を成功させる、こと「大ヒット」させるにはどうしたらいいのかということについて、参考になる話がありましたので紹介します。

東京企画構想学舎 編『しかけ人たちの企画術』から要約

「みんなが知っているもの」がカギ

  • たくさんの人を楽しませようと思ったら、たくさんの人が共有している
    バックグラウンドに乗っかるかたちでコンテンツを提供するのが鉄則
  • しかし近年は価値観の多様化が進んでいて、皆で共有しているバックグラウンド、
    つまり「みんなが知っているもの」自体が存在しづらくなってきている

このことはもう、近年頓(とみ)に感じますね。もしかしたら私が地方都市に住んでいるから尚さらなのかもしれないですが。たとえば20代前半とかの若い子がガラケーなんかを使っている姿を見るともう、個人的にはビックリしてしまいます。まともにインターネットにもつながらないモバイル端末で、彼は一体何を見ているのだろう?と。画面を覗きたい衝動に駆られるぐらいです。

また「テレビ離れ」だの「クルマ離れ」だのとも言われて久しいですが、それでもたとえば動画サイトの再生回数なんかをチェックしてみると、テレビドラマの(違法アップロードされた)動画は軒並みなかなかの高再生回数を示しているのが分かります。1時間単位で完結するバラエティより、ドラマの方がはるかに人気があるんです。(動画サイト内では)

車に関しても、たとえばトヨタのヴェルファイアなんかに乗りながら、TSUTAYAにレンタルビデオを返却しに行ってるような人の姿を見ると、なんだかおもしろい光景だなあなんて思ってしまいます。ダウンロードでレンタルすればいいのに。1回数百円の差が気になるなら、車はヴェルファイアじゃなくてヴォクシーにでもしておけばいいのに…、みたいな。

ほんとにみんな、物理的には同じようなところで生活しているのに、価値観的には全然、てんでバラバラです。

「みんな知ってる」を“作る”ことから始めなければならない

  • 皆が別々の方向を向いている時代に大きなヒットをつくろうと思ったら、
    バックグラウンドをつくるところからはじめなくてはならない
  • ドラマ『踊る大捜査線』は、1クール目の視聴率はそれほど高くなかった。
    しかし放送終了後にファン同士の掲示板での意見交換がすごく盛り上がり、
    そこから人気に火がつき、結果的にあの作品の成功につながった
  • これからは、皆のバックグラウンドとなりうる「共有の芽」を見つけ、
    それを地道に育てていくようなことも、やっていかなくてはならない

「みんなが知っている」に昇華しそうな共有の芽を見つけ、それを育てていくことから始めなければならない。…これは狙ってやろうとするとなかなか難しそうですが、でもそういうような意識は持っていなければならないのでしょうね。

要するに、はじめから、一発目から「ヒット!」を狙うんじゃなく、まずは一部の人たちの間だけででもいいから「共有」されるものを市場に投下し、そこから生じた共有の“芽”に水をくべるというか、小さな火に油を注いでいくというか。そういう、皆の共通のバックグラウンドとなり得る何かを“育てる”というひと手間が求められる時代になっている、と。

これを中小零細企業の事業に当てはめて考えると、たとえば個人客向けの商売であれば定期的なニュースレターの発行なんかは今は昔に比べてはるかに意味が大きいであろうことが分かりますね。大企業であっても「共有の芽」を育てていかなければ大ヒットを生み出せないとあれば、小さい企業にとっては、ちょっと大袈裟かもしれないけれど「戦いやすい時代になった」とも言えなくもなさそうです。

生活の一部を犠牲にするだけの価値があるもの、でないと喜ばれない

  • 時間の制約から自由なネットでも、最も有難味があるのはやっぱり「生配信」。
    つまり、結局は「いかに人の生活から時間をもぎ取るか」が企画の良し悪しを決める

ざっくり簡単に言えば「より質が問われる時代になった」と言ってもいいかもしれません。もちろんそうは言っても放送・通信系のコンテンツに関してはテレビ一強だった時代に比べ、今はインターネットというものがあり個人ですらこうしてブログでコンテンツを世に送り出すことができる時代ですから、弱者にとっては「戦うことが可能な時代になった」とも言えるのですが。ただ大企業からしてみればやはり「消費者に選択肢が増えた分、昔よりも質が問われるようになった」という感覚なのでしょう。

「これからは個人メディアの時代だ」みたいな言説も数年前にはよく目にしましたが、現実はそんな「右か左か」みたいな“移動”的な変化ではなく、ただ個人にも土俵に上がるチャンスは得られるようになった、右も左もひっくるめてその中身が問われる時代になった、というのが実際のところのように思います。

ところが、中身のクオリティを高めようと思えば、そこではやはり力のある企業の方にまだアドバンテージがあるのも事実です。テレビ番組ばりのコンテンツを素人の個人が作ることはまだまだ到底無理です。とはいえ、体が大きくなればその分だけ収穫も大きくなければ生きていけないのもまた事実であり、それを考えれば現実的には結局のところ

ラクに勝ち続けられる者はいない時代

なんて風にも言えるのかもしれません。中身や魅力が常に問われる、厳しいけれどいい時代、になってきているのかもしれません。

おっと。
記事のテーマから話が外れ過ぎてしまいました。

まとめ

話が逸れてしまったので一応この記事をまとめておくと、要するに今の時代にヒットを生み出そうと思ったら『「皆で共有しているバックグラウンド」をつくる』ことがカギになる、と。より多くの人に同じバックグラウンドを共有してもらえたら、そのバックグラウンドに乗っかることでヒットが生み出せる、と。

うーん。こう書くと「なにをそんな当たり前なことを」って感じもしますが。でも、当たり前に感じるってのは逆に、それが普遍的な真理であることの証なのかもしれませんね。

ということで、以上です。
ではまた。

 

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