船井幸雄という人物 – その傍に仕えた船井総研社長・高嶋栄氏の目に映ったもの

船井幸雄

日本の経営コンサルタントの草分け的存在であり、コンサルティング会社として世界で初めて株式を上場させた船井総合研究所創業者の船井幸雄氏。日本の経営者に多大なる影響を与え続けた氏とはどんな人物だったのか。船井総研の現在の社長(4代目) 高嶋栄さんが創業者・船井幸雄氏について語っている記事が興味深かったので、一部を要約して紹介します。

月刊誌『致知』2014.11月号「師資相承伝 経営者よ、企業経営に命を懸けよ」から要約

あらゆる面において、それを実行するレベルが違う

  • 夜に伊丹空港に到着すると、毎回必ず空港の本屋さんで5,6冊の本を購入していた。
    それが、翌朝お迎えに上がると「もう読み終わったよ」と言う。
    近くに仕えて痛切に感じたのは、あらゆる面においてその「レベル感」が違うということ

他にも、出会った人にはその日のうちに手紙を出すということも、何十年も毎日実践していたといいます。しかもその手紙も定型的なものではなく、相手が喜ぶような手紙を書くようにしていたとのこと。

名もない企業の社長が実践するならいざ知らず、あれだけの有名な人がそれを実践するとなれば、その実行力は並大抵のものではないであろうことが想像できます。

一度も怒られたことがない

  • 一般的にいう「怒った姿」を見たことがない。
    個人的にも、長い付き合いの中でいろんな出来事があったけれど、
    一度も怒られたことがない。
    もちろん人間だから怒る。けれど顔は笑っているのです

このエピソードで思い出したのは、長者番付日本一として有名な銀座まるかんの斎藤一人さんの弟子の方達もどこかで「一人さんに怒られたことがない」とおっしゃられていたことです。

怒鳴りつけることは急場しのぎには効果があるかもしれないけれど、本質的な問題を解決するための手段としては相応しくありません。怒ることで対処(対症)療法的に問題をごまかすのではなく、明るく前向きな態度を保ちながら根治のために知恵を出す。これはいかにも日本的な考え方・姿勢で、できることなら自分もそういうスタイルでいきたいと考える日本人経営者は多そうですが、とはいえ実際問題これはそう簡単に真似できることではなかったりもします。

強い精神力に、不断の勉強、人間性の向上への弛まぬ努力…そういったものが求められるので、生半可な思いで表面的な部分だけを真似たりすると逆に、例外なく大怪我をしてしまいます。

リーダーが示すべきは「人としての生き方」

  • 生前、船井が我々社員に向けて常に発していたメッセージは、
    人としてこうしていこうという「生き方」だった。
    振り返ってみても、「会社をこうしたい」というものはなかった

別にこれは「『会社をこうしたい』ということを語るべきではない」という意味ではないと思います。ただそういうよくありがちなメッセージが船井幸雄さんの場合はなく、「いつも『人としての生き方』を語っていた」という特異さを強調しただけだと。

この「生き方」に焦点を当てる考え方は、どんな分野であれその道の一流と称されるような人のエピソードではよく聞くことのように感じます。事業家の方だけを鑑みても、幾人もの大事業家の書籍やエピソードの中で、そういう考え方を垣間見ることができます。

人としての生き方を語るというのは、会社をこうしたいという夢や希望を語るのとは違って、語るに相応しいだけの人間にまず自分が成長しなければなりません。つまり、なるほどそうかといっていきなり大事業家のやり方を凡人が真似るわけにもいきません。

そう考えると、経営者にとって自己の人間性の研鑽というのは、もしかしたらそもそも必須のものなのかも、しれないですね。

最後に一つ、記事からそのままの引用で、この投稿を締めたいと思います。

晩年あらゆる場で船井が繰り返し述べていたのは、「経営のポイントはリーダーである経営者が命を懸けることだ」ということでした。

ではでは。

 

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