躍進するシャオミの販売戦略と、今後の携帯市場の変化について考えてみた

シャオミ

中国のデジタル機器メーカー「小米(シャオミ)科技」が創業からわずか4年目にして売上高1兆円に達する見込みとのことで、話題になっています。
参考:【ビジネス解読】中国スマホ「小米(シャオミ)」の凄まじき廉価の破壊力…サムスン駆逐、日本市場も戦々恐々 – 産経ニュース

中国市場ではすでにシェア1位

まだ創業間もないのにすでに中国市場ではシェア1位。サムスンは同市場においてシェアを喰われまくっているそうです。

インドでは4秒で10万台が完売

さらに最近はインドに進出し、9月には販売開始からわずか4.2秒で用意していた4万台の端末が完売、10月にも同じく4秒で10万台を販売した、という報道があります。出荷台数は4〜6月期で約1,500万台。その後7〜9月期には1,700万台を販売したとのこと。

ソニーが中国向けスマホの開発中止、サムスンは営業利益6割減

このシャオミ躍進の影響で、有名なところでは日本メーカーだとソニーが中国向けスマホの開発中止、2015年3月期の業績予想は大幅な下方修正に。また海外ではスマホ世界首位のサムスン電子が7〜9月期の営業利益においてなんと前年同期比で6割減の大幅な減益に。さらに今後も低迷が続くとみられています。

なぜ今さら出てきた後発組のメーカーがこれほどまでに躍進しているのか。その辺をちょっと見ていきたいと思います。

最大の強みは価格の安さ

なんといってもシャオミが躍進している最大の原動力はその価格の安さです。「限定販売」や「キャラクターを使った販促策」などといった戦略もメディアでは取り上げられていますが、それらの効果ははたしてどれだけのものか。恐らく微々たるものでしょう。そんな細かな“手法”がまともに通用するほど、大メーカーのひしめく携帯電話市場は甘いものではないと思います。

端末価格は約5分の1

シャオミの端末は、価格はサムスンやアップルの端末に比べて最大約5分の1程度でありながら、その性能はさほど変わらないものだといいます。約5分の1。10万円のiPhoneと同等レベルのものが2万円で販売されていたら…そりゃ中間層だってほとんどがそっちを買いますわな。

使用部品は他メーカー製と同じ

「ほんとに同等の性能なの?」とちょっと穿った見方もしてしまいそうではありますが、使われている部品も他メーカーと同じものを使用しているそうです。つまり原価としては他メーカー製のスマホと同じだけかかっていると考えてよさそうです。

ほぼ原価販売の「プラットホーム戦略」

他メーカー製のスマホと同じだけの原価がかかっているのであれば、なぜシャオミだけそんなに安く販売できるのか。部品メーカーの話によると「ほぼ原価販売だ」とされるシャオミは、どこで利益を出すつもりなのか?

端末販売の先には「プラットホーム戦略」があるそうです。

独自プラットフォーム「MIUI」

アンドロイドがベースになった独自のプラットホーム「MIUI 」というものを利用しているそうで、アプリやゲーム、通販などで利益を出すビジネスモデルを採っているのだそうです。だから端末はほぼ原価で販売し、まずユーザーを増やすことに力を入れているようです。

iTunesに対抗!?

これはいわゆる「フリー戦略」というやつの携帯電話メーカー版ですね。アップル社でいうところの iTunes や App Store 、iCloud などで利益を出している部分を参考にしたような形のモデルなのでしょう。

プラットホームで儲けるということで言えば、日本でも古くからドコモなんかが結構やっていますが、…どうなんでしょう。まさか中国発のメーカーがドコモみたいに「いちいち価格が高すぎ」なサービスを展開しているとは思えないので、きっともっと魅力的なものを用意しているのでしょう。恐らく。

シャオミの日本進出の可能性は

シャオミは今のところ新興国にしか市場を拡大していません。年内の予定は中国、インド、ブラジル、ロシア、などの計10ヵ国での販売しかなく、また今後もとりあえず今のところは新興国市場へ進出していくことしか考えていないようです。

先進国では通信会社の影響力が強すぎるらしい

というのも、日本を含めた先進国では通信会社の影響力が強く、販売奨励金を出すことによって端末代金を0円で販売するようなことが行われている国々ではシャオミの強みを発揮できないからのようで、今後もまだ日本を含む先進国への進出は考えていないらしいです。

でもシャオミは日本市場でも歓迎されるかもしれない

ところで、最近のニュースで「来年5月からSIMロック解除義務化」の話題があったと思います。となるとこれは、格安モデルの販売を行っているシャオミにとっては、日本市場進出の好材料になりそうではないでしょうか?

iPhoneの端末代に8万も10万も払うくらいなら…

正確なことは分かりませんが、SIMロック解除となれば、携帯通信各社は今までのように「端末代金実質0円」なんてサービスは打ち出せなくなるものと思われます。となると私たちは来年5月以降、スマホの機種変なんかをしようと思ったら端末代をまともに支払わなければならなくなってしまうはずです。iPhoneなら8万円とか10万円とか払わなきゃ買えない、と。

ということは…たとえ「中国メーカー」と分かっていても、それでもシャオミのような格安スマホに流れていく人々は低所得者層を中心にかなり現れてくるのではないでしょうか。もちろんシャオミが日本市場に進出してくればの話ではありますが。

低所得者層から「シャオミ待望論」が聞こえてくる可能性も

でももしかしたら「シャオミ待望論」のようなものが市場からふつふつと湧いてきて、けれども日本のメーカーは「後ろで利益を出すべきプラットホーム」の開発が下手そうだから何も手を打てず、結局中国メーカーのシャオミが日本市場で歓迎されてしまうような、そんなこともないとは言えないですよね。

iPhoneももう「6」がピーク。今後ユーザーは他端末に流れていく

そもそも、今となっては iPhone にもあまり過去のような圧倒的な魅力は無くなりつつあり、Xperia Z3 のような同等機種に顧客が流れていく現象もちらほら目に付きますし、ましてやそれがSIMロック解除義務化によって端末代金をモロに負担しなければならないということになったらもう、わざわざ iPhone を選択する理由はどんどん減っていきます。

スマホはバッテリー劣化で機種変せざるを得ない

ガラケーと違って、どうもスマホの充電池はバッテリー容量の劣化がはっきりと感じられます。どんなに「ずっとこの機種でいいや」と思っていても、バッテリー容量の劣化があまりに酷すぎて機種変せざるを得ないことに大体の人は4,5年でなるはずです。

今から3年後辺りが分水嶺では

最近 iPhone6 が発売されましたし、その前の 5s なんかも人気でしたし、となると今から4,5年後、その辺りでのシャオミやそれに類するメーカーと、そして日本メーカーの動きが、今から気になりますね。分水嶺としては2年半から3年後あたりでしょうか。その辺りで十分市場から信頼を得られるだけのものを出しておけば、そのメーカーが一気に日本市場において躍進していくかもしれませんね。

ぜひとも日本のメーカーかアップルに頑張ってもらいたい

中国メーカーだということによる信用の無さ。そんなハンディがあっても「創業4年目で売上高1兆円か」という躍進です。日本メーカーは「そうはいっても中国メーカー。日本市場では売れないだろう」なんてタカをくくっていると、一気に足下をすくわれる可能性だってなきにしもあらず、ではないでしょうか。(既に「個人情報が中国政府に渡っている」なんて噂が流れましたが、それでも新興国で大躍進中なのですから)

Appleといえども安泰ではないのは明らか

アップルも、今のところは顧客層が違うためほとんど影響を受けていないようですが、いずれは端末代金における戦いを強いられる時が来るだろうし、そしてプラットホームの魅力度での戦いも強いられるようになってくるでしょう。

となると今のように iTunes における映画のレンタルが1本400円だっけ?のような高めの価格設定ではヤバいのかもわかりませんね。つか物理メディアのレンタルをしているレンタルショップが1本100円でレンタルしているんだから、とっとと iTunes も1本100円や、願わくば1本50円で、レンタルできるようにしておくれよという感じなんですが。

うーん。
中国メーカーのスマホなんて使いたくないなあ…。でも電池の持ちが激悪になってスマホを替えざるを得ないようなことになった時、8万や10万のスマホと同等性能の機種が2万やそこらで販売されていたら……多分そっちを選んじゃうんだろうなあ。

ソニー頑張ってくれないかなあ。

ではまた。

 

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